友達のつくりかた

フリーランスの生活をはじめて、パンデミックが起こって、友達付き合いが激減した。というかほとんど皆無に近くなった。外出しての作業はただでさえ少ない精神のリソースを大幅に消費するので、ここ数ヶ月は家に引きこもりきりで仕事をしている。人との交流が絶望的に減ってしまった。

友達が減った、というよりは遠く感じるようになったというのが正直なところだ。病的な要素で苦労することが特に増えたここ1,2年は、「健常な」友人との連絡をしなくなった。もともと自分から誰かに連絡をするのは苦手なタイプだったが、余計に。

でも思い返してみれば、コミュニティ単位では友達は決して少なくなかった。大学の友人たちや所属していたインカレのバンドサークル、つまり他大学の友人たち、高校や中学の友人たち。それぞれの場という単位では、僕は友達に囲まれていたように思う。

そのコミュニティからふっと一歩外に出た瞬間、僕は孤独を感じた。誰も自分を知らず、自分も誰も知らないコミュニティの間隙に落ち込むような。自我や自己認識に著しい障害を抱えていた学生の頃の自分にとって、友達とは外部から自分の存在を確立させてくれる観測者だったのだ。だから僕はきっと「友達」を重く見すぎている。大切にしすぎていると換言してもいい。他人が思うよりもきっと、ずっと僕は「友達」という関係性を重大なものとして捉えているようだ。

そして今。やり取りをする相手はいるが、フリーランスという立場上、その人達はビジネスパートナーである。仲間ではあるかもしれないが、友達ではない。これまでの友人たちとは生活スタイルがかけ離れているせいで、まともに連絡を取ることが難しくなってしまった。

依存先は多く、依存を分散させよ。
その原則に従って、僕は今友達を増やそうとしている。友達というか、気軽に連絡を取れる間柄と安心感を抱ける相手を。それはこれまでの友人たちを切って捨てることではない。むしろ彼ら彼女らとの関係性を見つめ直し編み直すきっかけにもなるんじゃないか。そんなふうに前向きに思うことにしている。